• 2022年9月12日(月)　15：00～16：00
• 理学部22番講義室

地球圏システム科学科では、下記の内容の講演会を開催いたします。
多数ご参加いただきますよう、宜しくお願い申しあげます。
対面方式で実施しますので、ご参加の際はマスクの着用をお願い致します。

講演

様々な環境トレーサーを駆使して探る目に見えない水資源「地下水」
（利部慎：長崎大学大学院水産・環境科学総合研究科　准教授）

概要

昨今の地球温暖化に伴う降水量の大きな変化により、河川水などの地表水は著しく水量が増加し氾濫が発生することもある。一方で地下水は、帯水層のバッファー的効果のため、激しい降水量変化の影響がかき消され量的に安定した水資源として近年注目が集まっている。しかし、地下水は目に見えない地下を流動する水資源である。この地下水の持続的な保全や管理を進めるうえで、＜涵養～流動～湧出＞に至る一連の流動メカニズムの解明（＝見える化）が肝要であることから、地下水中の安定同位体比による涵養域の推定、溶存イオンの特徴による流動経路の推定、溶存ガス（CFCsやSF6）分析による年代推定といった水文学的な調査手法の適用が必要である。最近になり、こうした地下水の流動メカニズムを高い精度で見える化するために、地下水中に溶存する医薬品類や人工甘味料の測定といった異分野融合型のトレーサーを用いた研究も始めたことから、こうした最新の研究事例についても紹介したい。

問い合わせ先

創成科学研究科（理・地球）太田岳洋
内線：5753