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新鉱物「フェロフェリホルムキスト閃石」の発見

山口大学大学院創成科学研究科の永嶌真理子若手先進教授,今岡照喜名誉教授、加納隆名誉教授、海洋研究開発機構の木村純一上席技術研究員、常青(Qing Chang)技術主任、株式会社リガクの松本崇博士らの共同研究グループは、リチウムを含む新鉱物を愛媛県上島町岩城島から発見しました。

 新鉱物は202262日付で国際鉱物学連合 (International Mineralogical Association)の新鉱物・命名・分類委員会 (Commission on New Minerals, Nomenclature and Classification)により新種として承認され,「Ferro-ferri-holmquistite(フェロフェリホルムキスト閃石)と命名されました。

 愛媛県上島町岩城島には特異なリチウムに富むアルビタイト(かつて「エジル石閃長岩」とよばれていた)が分布することが知られており,Liに富む多様な鉱物が産します。これまでこの岩石から3種類のリチウムに富む新鉱物が発見されています。

  • 1976年 新鉱物「杉石」(発見者:村上允英 山口大学名誉教授ら)
  • 1983年 新鉱物「片山石」(発見者:村上允英 山口大学名誉教授ら)
  • 2016年 新鉱物「村上石」(発見者:今岡照喜 山口大学名誉教授ら)

今回発見された新鉱物「フェロフェリホルムキスト閃石」は岩城島から発見された4種目の新鉱物で,美しい青色の針状結晶として産します(図1)。この新鉱物の詳細は今後論文として公表される予定です。

図1 岩石中にみられる新鉱物「フェロフェリホルムキスト閃石」の青色の針状結晶(写真横幅約5ミリ).
共生する黄褐色の鉱物は変質を受けた黒雲母。(山口大学理学部地球科学標本室収蔵標本より)

愛媛県教育委員会および上島町教育委員会には天然記念物の“エジル石閃長岩”の採取の許可をいただきました。記して関係各位に感謝の意を表します。

 

 

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