会員の皆様へ

　理学部後援会会員の皆様には、平素より、本学部および本学大学院創成科学研究科（理学系）の教育研究活動や学修環境整備等に関する多大なるご支援を賜り、誠に感謝申し上げます。

山口大学理学部は1984（昭和59）年に本学部の前身となる文理学部を分離改組し、現在に至っております。理学部発足当初には想像もできなかった技術革新が進むなか、最新の教育を学生に教授すべく、本学部は柔軟に学科再編や新規学問分野の導入を行ってきております。令和３年度からは組織を一部改組し、数理科学科、物理・情報科学科、化学科、生物学科および地球圏システム科学科の5学科6分野の体制で、学生への教育ならびに研究指導にあたっております。

皆様が日々の生活を過ごすなか、Webサイトやニュース等で情報発信される数多くの「サイエンス」の研究成果の内容は、平易に書かれていても、その本質を理解するには高度な専門知識が必要となります。「サイエンス」に立脚した探究を志し、その素養・基礎力を持つ学生の一層の能力向上には、時代の流れに応じた修学環境の充実・改善は欠かすことができません。

しかしながら、政府予算の多くは、少子高齢化に伴う年金・医療等の予算に向けられ、大学等の高等教育機関への基盤的な予算は減少しています。予算化されても競争的資金とされ、各大学間での予算獲得競争が激化しています。「ポストコロナ」および「不透明さを増す国際情勢」が、今後の日本の高等教育・研究関連予算に及ぼす影響は未知数です。　

幸いにも、本学部は会員の皆様からの温かいご支援により、会員のお子様の資質向上を目的とした資格取得等報奨金制度*¹を創設することができました。在学中に本制度を活用し、卒業・修了後のスキルアップの布石となることを期待しています。

最後に、理学部応援企業*^２の採用担当者・技術担当者の方々からは、卒業生、特に、大学院修了生に対する満足度は非常に高く、学部の各学科および大学院の各専攻の教育・研究指導に高い評価をいただいております。技術系企業は専門知識・技術をもつ大学院生を積極的に採用しています。学生が、日々、深化・高度化する最新の専門知識・技術の修得に加えて、グローカルな協働ネットワークの重要性に触れる場が、大学院博士前・後期課程にあります。　

将来、基礎・応用分野を問わず研究・技術開発に携わっていきたい学部生は、大学院へ進学し、より一層の知識・技能・語学に磨きをかけることを推奨しております。大学院修了者の多くは、研究・技術職に就き、一部は大学等の教育研究職にも就いて活躍をしています。

今後、目覚ましく発展していく国際化・高度情報化社会のなかで歩んでいかれます会員のお子様の成長を、本会会員の皆様とともに本学部教職員一同、支えてまいりたいと思います。

理学部長　山中　明

*¹ 2019年に創設。詳細は理学部後援会サイト内の関係規則等をご覧ください。
*^２ 理学部の地域貢献事業を支援してくださる企業。卒業・修了生が第一線で活躍中。詳細は応援企業サイトに。