山口大学経済学部・経済学研究科 経済学部
経済学研究科

本学への寄付

中田 範夫(特命教授)

担当科目:医療経営研究 医療原価管理研究 演習

昭和59年に山口大学経済学部に赴任し、本年3月末で35年間になります。これまでは常勤教員として昼間の学部・大学院教育に関わってきました。

4月からは大学院企業経営専攻「医療・福祉経営コース」の特命教授として勤務します。これまでの大学院(昼間コース)の学生の中にも医療関係の日本人(山口大学医学部付属病院の当時の看護部長・副看護部長、国立病院機構山口宇部医療センターの医師、共済苑の職員など)及び医療関係を研究した外国人留学生もおり、彼らと一緒に医療に関する知識を深めてきました。

おおよそ20年前から医療(特に病院)を対象にして研究をしてきましたが、机上の学問にならないように下記のような委員を引き受けてきました。現在も続いているものは以下のものです。社会保険庁中国地区医療協議会委員、独立行政法人山口県立病院機構評価委員会委員、社会保険診療報酬支払基金山口支部幹事会委員、全国健康保険協会山口支部評議委員などです。これらの委員を勤めることにより、病院の置かれたポジションを総合的に捉えることが出来るようになったと思います。

研究では、全国の全ての病院種類(公立病院を含む)を対象に合計8度のアンケート調査を実施し、さらに経営的に特色を持っている病院を訪問調査してきました。前者の調査についてはそれぞれ論文を発表しております。最近の研究では、公立病院に関して組織形態(地方公営企業法適用病院、公務員型地方独立行政法人病院、非公務員型地方独立行政法人病院、指定管理者制度病院など)・内部環境(コンサルタント採用の有無、電子カルテ導入の有無、看護配置7対1採用の有無、DPC採用の有無)、及びマネジメント手法(バランスト・スコアカード導入の有無、原価計算採用の有無)などの相違が財務業績(医業費用収益率)・非財務業績(在院日数・病床稼働率)にどの程度影響を及ぼしているかを論文にしております。さらに3種類の業績指標間の相関関係についても分析しております。また公立病院以外の全ての病院種類に対して実施したアンケートに基づき、同様の分析を適用した結果を論文としてまとめている最中です。

これらの経験を生かして「医療・福祉経営コース」に入学して来られる皆さんと一緒に研究を進めていきたいと思います。

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