山口大学経済学部・経済学研究科 経済学部
経済学研究科

本学への寄付

田畑 雄紀(准教授)

担当科目:医療保険制度論 演習

専門分野は社会保障論、とりわけ医療保障制度を中心に研究をしています。大学院時代から、日本の公的医療保険を中心に患者負担や財源調達方法、診療報酬制度、医療供給体制など医療保障制度をトータルに分析し、これからの日本の医療保障制度のあり方を導くべく研究を重ねています。そのために、諸外国(主にイギリス)の医療保障制度も研究対象としています。

大学院での担当科目は「リスクマネジメント研究」と「医療保険制度研究」です。「リスクマネジメント研究」では、リスクの概念や捉え方、一般的なリスクマネジメントの手法などについて解説した後、各々の受講生の研究テーマの中で「リスク」が関係してくる内容に焦点を当ててもらい、それぞれの研究テーマをまた違った視点から考察し、それを報告してもらいます。

「医療保険制度研究」では、今は“The Welfare State as a Piggy Bank”という洋書の医療保険の章を輪読し、保険及び医療保険の基本的な理論・背景・意義などを学んでもらいます。その後、実際に諸外国で導入されている医療保険制度の内容を受講生に報告をしてもらっています。それを元に、各国の違いやメリット・デメリットなどを議論しています。私自身、海外の医療保障制度で最も興味を持っているのは、税を主な財源として医療を提供しているイギリスですので、イギリスの制度についても解説しています。財源が税か保険かでどのように制度が変わってくるのか、医師や患者、保険者(国)の行動や意識などもどのように変化していくのか、などを受講生と議論し、さまざまな視点から考察をしてもらいます。長い人生の中で、誰もが利用する医療サービスに対し、その財源やサービス提供のあり方に関し興味をもってもらい、望ましい医療保障制度とはどのようなものか、議論の中で導いていくことを目指しています。

今後、医療分野は介護分野との関連がさらに深まっていくでしょう。どうすれば医療と介護、福祉がスムーズに連携していけるのか、ということも視野に入れ、医療や介護をどう提供していけば、人々により幸せな生活をもたらせるようになるのか、「日本の医療・介護・福祉をより良くするには?」ということを、皆さんと一緒に勉強していきたいと思っています。

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