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菊政 勲 (KIKUMASA Isao)

研究テーマ

環論、代数の応用

研究内容

四則演算が可能な集合を体といい、除法を仮定しない+-×が可能な集合を環といいます。(他にも分配律や結合律等も成り立つ必要があります。)実数全体の集合や複素数全体の集合は体になっていて、それぞれ実数体、複素数体といい、R, C で表します。また整数全体は環の代表例です。複素数体 C は、実数体 R 上の2次元のベクトル空間にもなっていますので、2次元の幾何-平面-を考える際に役に立ちます。(高校で複素数平面を勉強されたと思います。)では、空間-3次元-に対応するような体はないのでしょうか? この問題を考えたのが19世紀の数学者 William Rowan Hamilton です。彼は10年以上にわたる研究の末、1843年に四元数と呼ばれる“数”を発見しました。その数は a + bi + cj + dk (a, b, c, d は実数) とかけ, i, j, k は

i2 = j2 = k2 = ijk = -1

を満たすものです。四元数全体 H は R 上4次元のベクトル空間になっており、複素数体 C を含むより大きな体になっています。(c = d = 0 の場合は複素数と同じ形ですね。実はその後 R上有限次元であるような体(多元体)は R と C と H しかないことが Frobenius によって示されました。しかし体ではなく環にするとまだまだあります。)このように新しい“数”(環)を見つけ(構成し)たり、構造や性質を調べるのが環論と呼ばれる分野です。

指導学生の修士論文・卒業論文題目

  • 有限フロベニウス環とメビウス関数(2018年度・修士論文)
  • 円分多項式の係数の集合について(2018年度・修士論文)
  • ベイス統計学による事前分布について(2019年度・卒業論文)
  • ナイーブベイズ法によるテキストの自動分類(2019年度・卒業論文)

教員情報

  • E-mail: kikumasa@(@以下はyamaguchi-u.ac.jp)
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