国立大学法人 山口大学

本学への寄付

環境DNA分析によってアユの産卵実態の詳細が明らかに-未発見の重要産卵場所を発見 新しい資源保全・管理へ-

 大学院創成科学研究科(工学系学域)の赤松良久教授(若手先進教授※・山口大学環境DNA研究センター長)、中尾遼平特命准教授、宮園誠二特命助教、齋藤稔特命助教と福岡工業大学社会環境学科の乾隆帝准教授らの研究チームは島根県の高津川におけるアユの生息・産卵の実態を2年間にわたって「環境DNA分析」という手法で調べました。その結果、これまで知られていなかった高津川のアユの重要な産卵場候補地を発見するとともに、産卵期の始まり・終わりや、年による産卵場利用の違いなどを明らかにしました。高津川流域にとって重要な経済・観光資源であるアユですが近年の漁獲量は大幅に減少しています。「環境DNA分析」を用いることで、従来の採集や目視調査では難しかった、大河川におけるアユの動態や産卵状況を簡易・迅速に把握できる可能性が広がり、様々な河川において、その年のアユの生息状況に合わせた産卵場の保全や禁漁期間の設定など、新しい資源保全・管理の形を目指すことも可能になります。
 本研究の成果をまとめた論文はオンラインジャーナル「frontiers in Ecology and Evolution」に掲載されました。

 詳細は こちら

 

 

<山口大学環境DNA研究センターHP>
http://cedna.kenkyu.yamaguchi-u.ac.jp/

※若手先進教授(Young Advanced Professor)とは、山口大学が旗手として期待する研究者に付与する名称です。

論文情報

  • 論文題目:Spatiotemporal Changes of the Environmental DNA Concentrations of Amphidromous Fish Plecoglossus altivelis altivelis in the Spawning Grounds in the Takatsu River, Western Japan
  • 著者:Ryutei Inui, Yoshihisa Akamatsu, Takanori Kono, Minoru Saito, Seiji Miyazono, Ryohei Nakao
  • 掲載誌:frontiers in Ecology and Evolution
  • DOI:10.3389/fevo.2021.622149
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