国立大学法人 山口大学

本学への寄付

外来植物がカブトムシの活動リズムを変化させる

 埼玉県の小学6年生の柴田亮さんは、山口大学大学院創成科学研究科(理学部)の小島渉講師と共同で、シマトネリコに集まるカブトムシが、昼間も活動を続けることを発見しました。
 柴田さんは2シーズンにわたり、早朝から深夜まで、自宅の庭のシマトネリコに来るカブトムシの個体数を数えました。また、162個体に番号を付けて識別し、それぞれの個体が餌場に滞在した時間を調べました。その結果、多くのカブトムシが夜のうちにシマトネリコを訪れ、夜が明けてもそのままそこに留まって採餌や交尾などの活動を続けることが明らかになりました。クヌギなどの植物を利用する場合、カブトムシは完全な夜行性であることが知られていましたが、利用する植物種によって活動時間が変化することが本研究から示されました。
 この成果は、米国の生態学専門誌Ecologyに掲載されました。

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発表のポイント

・シマトネリコという外来植物に集まるカブトムシは、夜だけでなく昼間も活動を続けることを明らかにした。
・カブトムシは夜行性であるというこれまでの常識を覆す発見である。
・小学生が自宅の庭木に来るカブトムシを毎日粘り強く調査し続けた成果である。

 

掲載誌情報

    • 掲載誌:Ecology
    • タイトル:An introduced host plant alters circadian activity patterns of a rhinoceros beetle(外来植物がカブトムシの概日活動パターンを変化させる)
    • 著者:柴田 亮(杉戸町立杉戸第三小学校)、小島 渉(山口大学)
    • DOI:10.1002/ecy.3366
    • Link:https://esajournals.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/ecy.3366

 

 

  • 図1. カブトムシを観察する柴田さん。
  • 図2. 日中にシマトネリコに集まるカブトムシ。矢印で示した個体には識別用の印がつけられている。
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