国立大学法人 山口大学

本学への寄付

GoToトラベルとやまぐちプレミアム宿泊券の山口県における経済効果 ~山口県の経済と財政に与えた影響を試算~

 

 経済学部の小嶋寿史准教授、加藤真也准教授らのグループは、2020年に実施されたGoToトラベルと「行こうよ。やまぐちプレミアムキャンペーン」(第1弾)プレミアム宿泊券の販売が、山口県の経済と財政に与えた影響を試算しました。
 経済波及効果を試算する際に一般的に用いられる手法である産業連関分析を用いると、GoToトラベルとプレミアム宿泊券による経済波及効果は219億円となりました。また、これらの政策により山口県内で誘発される就業者数の増加は2,653人、定住人口の増加は3,087人と試算されました。この試算結果から、GoToトラベルとプレミアム宿泊券が新型コロナウイルス感染症拡大に伴う地域経済の落ち込みに対し、一定の効果があったと言えます。
 また、山口県の各産業に関する試算では、宿泊業を含む対個人サービス業に対して、最も大きな経済波及効果が表れ、当該産業における雇用者所得の増加は25.4億円となりました。このことからも、GoToトラベルとプレミアム宿泊券が山口県の観光業に対する救済措置としても大きな役割を果たしたと結論付けられます。
 さらに、これらの政策が山口県の財政に与える影響も試算しました。GoToトラベルとプレミアム宿泊券に伴う山口県に対する税収(県税)の増加は3.52億円となり、山口県がプレミアム宿泊券の実施に際して負担した12.6億円(チケット支援額のみ)と比べると30%弱もの税収が戻ってきたことになります。
 これらの研究成果は2021年11月末刊行予定の山口経済学雑誌第70巻第3-4号に掲載される予定です。

 

GoToトラベルとやまぐちプレミアム宿泊券による山口県の経済と財政への影響(2020年)

経済波及効果 219億円
就業者数の増加 2,653人
定住人口の増加 3,087人
税収(県税)の増加 3.52億円
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