国立大学法人 山口大学

本学への寄付

新鉱物「アルミノ杉石」を発見!

 

 山口大学大学院創成科学研究科の永嶌真理子准教授らのグループは、イタリアのCerchiara鉱山から新鉱物を発見し「アルミノ杉石」と命名しました。
 国際機関による審査結果が5月27日にIMA Commission on New Minerals, Nomenclature and Classification (CNMNC) NEWSLETTER 49に掲載されましたので報告いたします。
 そもそも「杉石」はとてもきれいな鉱物で、世界では宝石「Sugilite」として珍重されています。新発見の「アルミノ杉石」は、この亜種にあたります。「杉石」は1976年に村上允英(山口大学名誉教授)が愛媛県岩城島で発見した鉱物です。村上允英は、恩師である杉 健一 (九州大学教授)にちなんで「杉石」と命名しました。とても日本に馴染み深い宝石なのです。
 永嶌真理子准教授は、この岩城島を中心にリチウムを含む鉱物の研究を続けており、これまでに7つもの新鉱物を発見してきました。その功績が認められて2015年には鉱物科学会から櫻井賞が授与されました。
 今回はイタリアのCerchiara鉱山の試料を詳細に分析している過程での発見となりました。新発見の「アルミノ杉石」は紫色のたいへん美しい鉱物です。これほど美しい鉱物は、当然ながら地元でも知られていましたが、「杉石」に違いないとの思いこみから見過ごされていたのです。これを新鉱物と見抜くのは、まさに永嶌准教授の慧眼のなせる業でしょう。
 今回発見された「アルミノ杉石」は装飾品としてだけでなく、リチウムを含む鉱物資源としても注目されています。世界的なバッテリー需要の高まりの中、注目度がアップすることでしょう。

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