【総説論文】川崎病における炎症増幅機構の解明 ― IL-33/ST2シグナルの役割
山口大学医学部附属病院小児科の岡田 清吾 講師(細胞デザイン医科学研究所・先進ゲノム編集治療研究部門)、大学院医学系研究科(医学専攻)小児科学講座の長谷川 俊史 教授(同研究部門)らのグループは、川崎病血管炎における新たな分子メカニズムとして、インターロイキン (IL)-33/ST2シグナルに注目した総説論文を発表しました。
IL-33は細胞傷害に伴って放出される「アラーミン(danger signal)」として機能し、自然免疫の活性化や血管内皮細胞・平滑筋細胞への影響を通じて炎症を増幅する可能性があります。一方で、受容体ST2の可溶型(sST2)は組織ストレスを反映するバイオマーカーとして、疾患活動性や冠動脈病変との関連が示唆されています。
本総説では、基礎・臨床研究の知見を統合することで、IL-33/ST2シグナルが「疾患の引き金」ではなく「炎症増幅因子」として機能する可能性を提唱しました。また、本シグナル伝達経路が川崎病の新たな治療標的となり得る可能性についても言及しています。
本成果は、2026年4月13日に学術誌「Expert Rev Clin Immunol 2026」に掲載されました。

論文情報
- 論文名:Interleukin-33/ST2 axis in Kawasaki disease: biology, vascular pathology, and future therapeutic strategies
- 著者:Okada S, Lee PY, Yasudo H, Ohnishi Y, Son MBF, Newburger JW, Hasegawa S
- 掲載誌: Expert Rev Clin Immunol 2026(Epub ahead of print)
- DOI:10.1080/1744666X.2026.2655165
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