概要版：小学校の先生になるには

　ここでは小学校の先生に必要となる教員免許状の取得方法と採用試験について説明し、山口大学教育学部で小学校の先生になるためのコース・選修を紹介します。
　皆さんが小学生のとき、学級担任の先生・保健室の先生、特定の教科（理科や音楽）だけを教えてくださる先生など多くの先生がいらっしゃったと思います。小学校で先生になって全ての教科を教えるには、小学校教諭普通免許状が必要となります。この免許状には「専修」「一種」「二種」がありますが、大学を卒業して小学校の先生になるには「小学校教諭一種免許状」の取得をお勧めします。
　免許状取得のためには、大学で決められた授業や教育実習を受ける必要があります。どの授業をどの学年で受ければよいか、大学入学後に説明がありますのでよく聞いておきましょう。小学校の先生は全ての教科を教えることになりますので、いろんな教科の内容や教え方も学ぶことになります。もちろん、先生として知っておくべき教育学や心理学も学びます。
　皆さんの大学卒業が間近になると、教員免許状を取得するための手続きを行います。免許状は教育委員会から授与されるため、大学を通じて教育委員会に申請します（山口大学の学生は山口県教育委員会に申請します）。そうして取得した免許状は全国で通用します。
　各都道府県・政令指定都市の先生を採用する試験が毎年7月～9月頃にあります。これに合格すると教育委員会の「採用候補者名簿」に登載され、各地の小学校に配属されていきます。そして、担任する学級や担当する業務が決まり、小学校の先生として勤務することになります。
　山口大学教育学部では表1のコース・選修で小学校教諭一種免許状を取得できます。小学校教育コース・特別支援教育コースに加えて、情報教育コースや教科教育コースでも小学校教諭一種免許状を取得できます。情報教育コースではプログラミング教育やICTに強い小学校の先生に、教科教育コースでは教科の専門性を持った小学校の先生になることができます。小学校高学年で「教科担任制」の導入が試みられていることや、特に山口県では小中一貫教育が注目されていることから、小学校の先生を希望する場合でも、教科教育コースは進学先の候補となります。なお、山口大学教育学部では「ちゃぶ台」方式といって、皆が対等な立場で課題を話し合って解決していくことを大切にしています。
　最後に、学校の先生は専門職であり、学ぶ内容が益々高度化しています。山口大学には「教職大学院」（2年間）があり、教職大学院への進学も視野に入れておくことをお勧めします。教職大学院を修了すると「専修免許状」を取得することができます。
　図1に大学入学から小学校の先生になるまでの過程をまとめてみました。参考にしてください。

表1．山口大学教育学部において小学校教諭一種免許状を取得できるコース・選修と入学者選抜の方法（令和4年度入試）。表中の「〇」印は、左に示すコース・選修において、上に示す選抜を行っていることを記しています。

• 注意：入試については必ず入学者選抜要項・学生募集要項を確認してください。
• 補足：この表に掲載していない「幼児教育コース」においても、追加で授業・実習を受けることで小学校教諭免許状を取得することが出来ます。

（令和3年3月22日作成；令和5年1月5日修正）