山口大学教育学部 教育学部
教育学研究科

本学部への寄付

Q&A

Q&A

1. 先生を目指すにあたって

Q:小学校の先生になるために、いまからどんな勉強をしておくと良いですか?

A:いま学校で学ぶ際に「何をどう学ぶのか」「それをどう生かすか」といった意識を持って臨んで欲しいと思います。 また、自分が先生になったつもりで、「子どもに学問のおもしろさや奥深さをどう伝えるか」「どうすれば子どもの興味を高めることができるか」 を考えながら授業を受けて欲しいと思います。 そうして、多様な考え方やプロセスを柔軟に受け入れられるように取り組んで欲しいと思います。

Q:先生になるために、どんな準備をしたらよいですか。コロナ禍の中、今自分には何ができるでしょうか?

A:ボランティア等の参加は難しいので、身近な人や恩師などに話を聞く機会を作って欲しいと思います。 先生は子どもだけを相手にするわけではなく、その背後におられる保護者や家族の価値観・教育観にも触れ、関係を築いていくことになります。 教育に関する様々な考え方や価値観を知り、自分なりに考えておくことはとても大切です。

2. 教員免許状の取得

大学の授業と複数の教員免許状の取得について補足

 「複数の教員免許状の取得は可能ですか?」とか「教科の○○と△△の教員免許状の取得は可能ですか?」という質問をよく受けます。しかしながら、この質問に対して正確に回答することは難しく、その事情を少し説明します。「大学の時間割」、「キャップ制」、「教員免許状を取得する意義」の3点についてです。

〇 大学の時間割

 大学では数多くの授業が開かれており、これらの中から自分にとって必要な授業をみつけて自分の時間割を作り、それに従って授業を受けていきます。そうして教職課程であらかじめ決められている授業や実習などを全て受け終えると(申請により)教員免許状を取得することが出来ます。
 複数の教員免許状を取得しようとすると、当然ながら受けるべき授業や実習などが多くなります。このため同じ時間帯に複数の受けるべき授業があり、どれか一つしか受けることができないという状況が生じることがあります。「山口大学教育学部の特色」の「表2.山口大学教育学部の各コース・選修で卒業と同時に取得できる教員免許状」に記してあるものは、そのコース・選修の学生であれば、必ず必要な授業が受けられるように時間割が設定されていますので、安心してください。
 それ以外の教員免許状の取得に必要な授業は、時間割に重複が無ければ受けることができます。しかしながら大学では数多くの授業が開かれており、時間割も毎年変わるため、学生個別の教員免許状取得希望に対して必要な授業が重複しないことを保障できないのです。

〇 キャップ制

 大学では数多くの授業が開かれていますが、各学期で受けることのできる授業の数に制限が設けられています。これを「キャップ制」といいます(「学士課程教育の構築に向けて(答申)」の「用語解説」のを参照)。教員免許状の取得に必要な授業だからといって、また、自分の時間割に空きがあるからといって、無制限に授業を受けてよいわけではありません。結果的に大学4年間で受けることのできる授業数には限りがあり、複数の(たくさんの)教員免許状の取得にはおのずと制限が生じます。

〇 教員免許状を取得する意義

 なぜ複数の教員免許状を取得したいのか、自分の理想とする教師像と照らし合わせて考えてみましょう。高校生・受験生の時点で、また大学1年生の時点で、理想の教師像が固まっている人は少ないでしょう。将来の可能性を考えて、複数の教員免許状を取得しておきたいという気持ちは理解できます。大学で学んで行く中で、成りたい教師像が固まっていけば、取得したい教員免許状も絞られていくことでしょう。

以上を理解した上で、次のQ&Aを読んでみてください。


Q:小学校と中学校・高等学校などの複数の教員免許状を取得したいのですが、可能でしょうか?また、小学校と中学校の両方の教員免許状を取得しておいた方がよいでしょうか?

A:山口大学教育学部では複数の教員免許状の取得が可能です。表2の組み合わせの他に、様々なケースが考えられますので、詳しくは大学入学後に先生に相談してみましょう。「先生になりたい人へ(一般的なお話)」でもお話ししたように、皆さんそれぞれが目指す教師像をお持ちだと思います。そのような教師像に近づけるよう、大学の教職員は皆さんを支援していきます。複数の教員免許状の取得については、出来るだけいろいろな組み合わせが取得できるように考えています。例えば、もし皆さんが次のような想いを持っておられれば、教員免許状取得のための授業の取り方・前提となる知識理解について助言したり、関連するちゃぶ台プロジェクトの活動を紹介するなどの支援をしていきます。

  • 大学の数学をきちんと学んだ上で、小学校と中学校・高等学校(数学)の一種免許状を取得して、小学校の子どもたちに算数を教えたい。
  • 異文化理解についての知識を身につけたうえで、小学校で外国語科を担当し、子どもたちに多様な文化があることを伝えていきたい。そのため、国際理解教育選修に入学し、小学校と中学校・高等学校(外国語(英語))の一種免許状を取得したい。
  • 中学校の理科の一種免許状を主に考えているが、技術の一種免許状も取得して、自然の仕組みから身の回りの生活への応用まで考えて2つの教科を教えてみたい。
  • 中学校の技術と家庭の一種免許状を取得し、中学校の先生になって技術・家庭科をすべて教えてみたい。

 なお、中学校と高等学校の同じ教科の一種免許状を取得する場合、受けるべき授業の多くは重複しています。また、教科教育コースでは、高等学校の教員免許状を取得するための教育実習は中学校で行うことにしています。したがって、小学校の教員免許状に加えて、中学校の一種免許状を取得する場合、同じ教科の高等学校の一種免許状も(必ずとは言い切れませんが)ほぼ同時に取得可能となり、3つの教員免許状を取得することが可能です。小中一貫教育・義務教育学校や小学校高学年の教科担任制の導入が話題となっています。この点からも、小学校と中学校の教員免許状を取得している教員は求められています。大好きな教科があって中学校の先生が第一希望ならば、教科教育コースに入学し、小学校と中学校の両方の教員免許状を取得されてはいかがでしょうか。
 取得を希望する免許状については、大学2年次の7月に確認します。1年次の当初の予定からの変更も可能ですので、大学での学びに少し慣れてから、もう一度考えてもよいでしょう。

Q:特別支援教育コースに入学し、さらに高等学校・情報の教員免許状を取得することは可能ですか?

A:まず前提として、特別支援教育コースでは、次の1.又は2.のいずれかの基本の組み合わせで教員免許状を取得します。

  1. 特別支援学校教諭一種免許状(知的障害者、肢体不自由者、病弱者に関する教育の領域)、及び、小学校教諭一種免許状
  2. 特別支援学校教諭一種免許状(知的障害者、肢体不自由者、病弱者に関する教育の領域)、及び、中学校教諭一種免許状(山口大学教育学部で取得できる教科)

このため、特別支援教育コースでは、1.又は2.の基本の組み合わせだけでも受けるべき授業が少し多くなります。その上さらに、高等学校・情報の教員免許状を取得しようとすると、情報に関する授業を追加で受けることになり、大学4年間で必要なすべての授業を受けるにはかなりの勉強量と授業の取り方の工夫が必要となります。
 教職大学院へ進学して教育学部の授業を受けることも可能ですので、まずは大学4年間で基本となる特別支援教育のことを学び、余裕があれば情報に関する授業も受けた上で、教職大学院で情報に関する授業を受けて、4年間+2年間のトータル6年間で計画してはいかがでしょうか。

Q:小学校教育コースに所属し、幼稚園と特別支援学校の両方の教員免許状を取得することはできますか?

A:小学校教育コースでは小学校教諭一種免許状を必ず取得しますが、それに加えて幼稚園教諭と特別支援学校教諭の両方を大学4年間で取得することはできません。理由は4年次に行う教育実習が同じ時期にあるためです。ご希望に対しては、大学卒業時に次のいずれかの組み合わせで免許状を取得されることをお勧めします。

  • 小学校教諭一種免許状、及び、幼稚園教諭免許状
  • 小学校教諭一種免許状、及び、特別支援学校教諭免許状(知的障害者、肢体不自由者、病弱者に関する教育の領域)

その上で、教職大学院に進学して学部の授業や教育実習を追加で受けて、6年間をかけて小学校教諭・幼稚園教諭・特別支援学校教諭の3つの免許状を取得してはいかがでしょうか。

Q:保健室の先生(養護教諭)になるための免許状を取得することはできますか?

A:山口大学教育学部では、養護教諭の免許状を取得することはできません。参考までに、文部科学省のウェブページ:「養護教諭の免許資格を取得することのできる大学」を紹介します。なお、教職大学院においては、既に養護教諭一種免許状を取得している人が養護教諭専修免許状を取得することは可能です。

Q:中学校の社会と高等学校の社会の両方の免許状を取得したいのですが、両者で履修方法等に違いはありますか?

A:中学校や高等学校の教員免許状を取得するにあたり、必要となる授業を受けていくことに違いはありません。ただ社会科固有のこととして、高等学校では「地理歴史」と「公民」に分れますので、これらの免許状も「高等学校教諭一種免許状(地理歴史)」と「高等学校教諭一種免許状(公民)」となります。このため、高等学校のこれら2つの免許状を取得するには、「中学校教諭一種免許状(社会)」を取得するよりも多くなります。受けるべき授業については大学入学後によく確認してください。

3. 大学での学び・留学

Q:「自己評価シート」とはどういったものか教えてください。

A:皆さんがどのような理想の教師像を抱こうとも、学校の先生になるためには最低限の必要とされる資質能力を身につける必要があります。山口大学教育学部では、これらの力を「使命感や責任感、教育的愛情」「社会性や対人関係能力」「幼児児童生徒理解」「教科等の指導」の4項目に分類しています。大学での各段階でこれらの資質能力が着実に身についているか、不十分なところを確認しながら次の課題に向けて学修を進めていきます。そのための資料が「自己評価シート」です。この「自己評価シート」を用いて大学の先生と面談し、一緒に話し合いながら次の課題を探っていきます。「自己評価シート」には、大学での学修や活動の履歴、現状の自己評価、今後取り組んで行きたいこと、大学の先生からのアドバイスを記載します。
 学校の先生になると、毎年「自己目標シート」を用いて、校長先生や教頭先生からアドバイスを受けながら、先生としての仕事や成長の目標を設定し、進み具合を確認しながら、目標の達成状況や今後の課題を確認することになります。大学生のときから、このようなサイクルで勉学(仕事)を進めていく力をつけておきましょう。

Q:小学校と中学校の両方の教員免許状を取得する場合、教育実習は小学校と中学校の両方で行うことになりますか?

A:小学校と中学校の両方で教育実習を行うことになります。例えば教科教育コースで、小学校教諭一種免許状と中学校教諭二種免許状を取得する場合、大学3年次に附属小学校で3週間、附属中学校で2週間、教育実習を行います。さらに、4年次に山口県内の公立小学校で2週間の教育実習を行います。教育実習は教育学部にとって、学んだことを実際の学校での場面に結び付けるとともに、学びを統合する大変重要な活動となります。また何よりも、子どもたちと共に学ぶことが出来る大変貴重な体験です。ぜひとも教育実習に楽しんで取り組んでみてください。

Q:学校体験制度(特に1年次)について教えてください。

A:山口大学教育学部では、主に1年次において、山口県教育委員会の「教員をめざす学生の学校体験制度」を利用させていただき、公立の小学校・中学校・高等学校において学校の教育現場を体験する活動を取り入れています。皆さんの「学校の先生になりたい」という熱い気持ちを大切にし、子どもの立場ではなく、先生(の卵)の視点から学校を体験して知ってもらおうという趣旨です。この体験活動は「教職キャリア形成I」の授業の一環として行います。さらに、この成果を「教職キャリア形成II」の授業において確認し、大学において自分が何をどのように学んでいくべきか、将来目指すべき教師像はどのようなものか、学校はどうあるべきか考えていきます。

Q:留学して海外の大学での学び・大学生活も経験したいので、留学について教えてください。

A:山口大学留学生センターのホームページの「海外留学を希望する方へ」のメニューから詳しい説明にアクセスできますので、そちらを参照してください。
 教育学部では、短期留学する学生は広く満遍なくどのコース・選修からも、半年や1年間の留学は国際理解教育選修と英語教育選修の学生が多い傾向にあります。また、教育学部特有の注意点として、留学時期と教育実習の時期が重なると、 教育実習を受けられなくなる場合があり、大学卒業が延期(4年間では卒業できないこと)となることがあります。

4. 入試について

Q:小学校総合選修の小論文(一般選抜前期日程)のテーマについて教えてください。

A:山口大学のウェブサイトに試験問題・回答例が掲載されていますので参考にしてください。
なお、学校推薦型選抜や帰国生徒入試の過去問題については「資料請求」のページの「5.過去問題について」を参照してください。

5. 学生生活

Q:大学で必要となる費用の概算はどれくらいですか?

A:学費については、山口大学の出納係のホームページを参照してください。住居については、学生寮:男子寮と女子寮があり、また民間のアパートもあります。「山口大学学生生活の手引き」の「2.住居」の項目をご覧ください。その他に、食費、教科書等の書籍、ノートパソコンなどが必要となります。

Q:新型コロナウイルス感染症の拡大防止について、どのように取り組んでいますか?

A:学生の皆さんの勉学・大学生活を支援する様々な取り組みを行っていますので、ぜひとも「在学生の皆さんへ」のページを開いてみてください。

6. 就職支援について

Q:山口大学では、学部独自の就職サポート体制と、大学全体のサポート体制を作っています。教育学部では「就職支援部」というところで、学部独自の特に教員採用試験のサポートを行っています。また、大学全体では「就職支援室」において、一般企業や公務員への就職をサポートしており、「教職センター」では、大学全体で他の学部も含めた先生になりたい人の教員就職のサポートを行っています。教育学部の学生も教職センターを利用することができます。以上のような体制で、学生の皆さんの就職をサポートしています。

Q:公立学校の教員採用試験にどの程度合格しているか教えてください。

A:過去のデータを公開していますので、参照してください。

Q:他県の出身で、出身地の先生になりたいのですが、山口大学教育学部ではそれが可能でしょうか。

A:山口大学教育学部は山口県の公立学校の先生を育てることに力を入れていますが、他県の教員採用試験の受験ももちろん可能です。教員採用試験の日程が重ならなければ、出身県と山口県の両方を受験することをお勧めします。他県からの推薦の依頼もあるので、希望してみてはいかがでしょうか。

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