山口大学教育学部 教育学部
教育学研究科

本学部への寄付

山口大学教育学部の特色

山口大学教育学部の特色

1 山口大学教育学部とは

 山口大学教育学部は「学校教育教員養成課程」だけからなる「教員養成学部」です。その課程の中に「小学校教育コース」「幼児教育コース」「特別支援教育コース」「情報教育コース」「教科教育コース」の5コースを設置しています。各コースにおいて「養成する教員像」や卒業生が身に付ける能力を記した「ディプロマ・ポリシー」がありますので、進路を検討するにあたり、自分の目指したい教師像と重なる部分があるか、共感できるか考えてみてください。(なお「先生になりたい人へ(一般的なお話)」のページも参照してください。)

2 取得できる教員免許状

 各コース・選修で受ける授業は「教職課程」の授業を含んでいますので、大学卒業と同時に表2に示す教員免許状を取得することができます。

3 めざす学校の種類と進路選択

(1)小学校の先生

 小学校教育コースの「小学校総合選修」、「教育学選修」、「心理学選修」、「国際理解教育選修」の各選修では、いずれも小学校の先生を育てることを目標としています。それぞれの特色は、育てたい教員像を読んでみてください。大まかに言うと、小学校総合選修は、実践的で総合力の高い先生を、教育学選修・心理学選修はそれぞれの学問の理論的な視点と課題に対する研究方法を身に付けた先生を、国際理解教育選修は一層すすみつつあるグローバル化や多文化社会を反映した学校現場での実践力を備えた先生を育てることを目標としています。
 情報教育コースでは、小学校の教員免許状を取得することができます。プログラミング教育やICTに強い小学校の先生を育てることを目標の一つとしています。
 また教科教育コースでも、選修の教科(国語、社会、算数・数学、・・・)の専門を理解した教科に強い小学校の先生になることができます。小学校の先生はすべての教科を教えることが基本ですが、次のような理由から教科に強い先生が求められています。

  • 最近では小学校高学年で「教科担任制」の導入が試みられており、主に国語を教える先生、主に算数を教える先生など、小学校でも教科の専門性が求められる時代に向かっています。
  • 子どもたちのよりよい成長のためには、小学校と中学校の連携や、小中一貫教育が欠かせないという認識が広がりつつある。そのため、小学校と中学校の両方で教えることの出来る専門とする教科を持った先生が求められるようになっています。
  • 以前から小学校においても「専科」といって理科や音楽だけを専門に教える先生が必要とされてきました。

このような時代に、教科教育コースは対応しています。

(2)中学校・高等学校の先生

 中学校や高等学校の先生になりたい皆さんは、教科を選択する必要があります。表2のように、教科教育コースでは、中学校のほとんどの教科:国語、社会、数学、理科、音楽、美術、保健体育、技術、家庭、外国語(英語)の一種免許状を取得することができます。同じ教科であれば中学校と高等学校の両方の教員免許状を取得でき、複数の教科の免許状の取得を希望する人には、できるだけ希望が叶うよう支援していきます。
 現在では高等学校の「情報」の先生の採用人数は少ないですが、これから「情報」の専門性を持つ教員が求められてくるでしょう。GIGAスクールやICTの活用、大学入学共通テストへの「情報」の導入の検討など、最近の話題を聞いたことがある人も多いでしょう。これからの学校で「情報」にかかわりたい人は「情報教育コース」を選ぶことをお勧めします。

(3)幼稚園、特別支援学校

 幼稚園の先生になりたい人は「幼児教育コース」を、特別支援学校の先生になりたい人は「特別支援教育コース」を選ぶことをお勧めします。
 なお、教員免許状の取得については、「高校生・受験生向け特設ページ」の「Q&A2.教員免許状の取得」も参考にされてください。

図の拡大表示)

4 山口大学教育学部の特色ある授業や活動例

 先生としての資質・能力を高める次のような授業や活動があります。

教職概論・教職キャリア形成(1年生)

 この特設ページで説明したことは、先生になるための進路や教員免許状・学校に関する初歩の内容です。詳しくは「教職概論」や「教職キャリア形成」の授業で学びます。
 山口大学教育学部の特色は、入学後の早い時期から、学校現場で様々な教職体験を行えること、そしてその体験を学生同士や教員と振り返り、共有しながら、実践的な指導力を身につけることができることです。1年生では、まず「教職概論」で教職の基本を理解するとともに、夏休みには、山口県教育委員会の「教員をめざす学生の学校体験制度」やコース・選修の特色をいかした「教職体験プログラム」を利用して公立学校を訪問し、子どもたちと活動し、教職を体験する機会があります。
 参考のため「教職概論」と「教職キャリア形成I」「教職キャリア形成II」の2022年度授業シラバスを紹介しておきます。(「シラバス」とは、授業の概要や目標などを記したものです。)

教育実習(主に3~4年生)

 皆さんが希望する教員免許状に対応する幼稚園・小学校・中学校・特別支援学校で実際に子どもたちに教える経験を通じて、大学で勉強したことと実際の体験を結び付け、学校教育と子どもたちを知り、授業での教え方を修得することを目的としています。山口大学教育学部には附属学校園が6校園あり、山口地区に附属幼稚園附属山口小学校附属山口中学校附属特別支援学校、山口県東部の光地区に附属光小学校附属光中学校があります。3年生のときにこれらの附属学校園で教育実習を行い、4年生になってから山口県内の学校でも教育実習を行います。教育実習の期間は、所属コースや希望する教員免許状によって変わりますが、3年生のときに3週間~6週間、4年生のときに2週間~4週間です。学校園の子どもたちも教育実習生(教生)先生に会えることをとても楽しみにしています。

地域教育実践研究/地域教育実践演習(3年生)

 皆さんが小学生・中学生のとき、授業の中で地域の方々からお話を聞いたり、地域の行事に先生と一緒に参加したりということがあったでしょう。以前から、学校は地域の教育の拠点として機能してきました。学校の先生になっても、その地域に住んでおられる方々・働いておられる方々と一緒になって、子どもたちの成長を見守り活気ある地域となるように一緒に働くという意識が大切です。山口県ではすべての公立小中学校がコミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)となっています。こういった学校や地域の取組を知り、課題解決に向けて議論をしていく、山口県にある山口大学教育学部ならではの特色ある授業です。参考のため「地域教育実践研究」「地域教育実践演習」の2022年度授業シラバスを紹介しておきます。

教職実践演習(4年生)

 どの大学でも、この授業は教職課程の最終年度(4年生の最後)に必ず受けます。皆さんが卒業後すぐに学校の先生として教壇に立ち授業ができるか、子どもたちの学習指導・生活指導ができるか、他の先生方と協力できるか確認し、足りない部分に気づくための授業です。山口大学の特色は次の2つです。1つは、実際に学校に勤務しておられる現役の先生とグループ討論しながら、実際の学校現場の課題を知り、それに対する対応を学ぶことです。2つめは、授業の一部を学生同士で先生役・児童生徒役に分かれてやってみて(「模擬授業」といいます)、自分の教え方の特徴をつかみ、今後の課題をみつけます。参考のため「教職実践演習(幼)」「教職実践演習(小)」「教職実践演習(中・高)」の2022年度授業シラバスを紹介しておきます。

ちゃぶ台プログラム

 山口大学教育学部の活動の基本となっている考え方のシンボルとして「ちゃぶ台」があります。平成生まれの高校生・受験生の皆さんには、なじみが薄いかもしれませんが、もしかしたらテレビ番組や映画・アニメなどで見たことがあるかもしれません。昭和の時代によく家にあった丸いテーブルで、そこで家族で食事をしたり、お茶を飲んだり、ということをしていました。ちゃぶ台には上座も下座もないため、対等な関係性を表すシンボルとなっています。学校の先生も教職を目指す学生も大学の先生も、ちゃぶ台を囲むように対等な立場で学校の課題について話し合い、実際に学校に出かけて行って活動してみることを基本としています。参考のため、ちゃぶ台のページを紹介します。
 その他の授業のシラバスも「eYUSDL」で検索・閲覧することが出来ます。是非とも活用して、自分の大学での学びのイメージを膨らましてください。
 以上のように、それぞれの大学の学部学科で特色がありますから、皆さんのなりたい教師像に向けて、自分自身で大学の学部学科や教員免許状の取り方を選択してください。

5 大学入試について

 山口大学教育学部では、総合型選抜(旧:AO入試)・学校推薦型選抜I・学校推薦型選抜II・帰国生徒入試・一般選抜前期日程・私費外国人留学生入試を実施しています。特色として次の2つを挙げます。

  • 一般選抜前期日程では第1志望・第2志望まで選択できること
  • 入学時に自分の所属するコース・選修が決まっており、大学での学びや取得する教員免許状を計画しやすいこと

このような特色のある入試を通じて皆さんを受け入れ、山口県の公立学校の先生を育てることに力を入れています。

 山口大学教育学部へ入学を希望される皆さんは、山口大学ウェブサイトの「受験生の方」と「入試関連情報」のページをご覧いただき、受験のご準備をお願いいたします。特に入試関連情報・募集要項のページには、入学者選抜要項や学生募集要項が掲載されています。「入学者選抜要項」は、山口大学が行っている多様な入試の全体像・概要を記しています。そして「総合型選抜学生募集要項」「学校推薦型選抜学生募集要項」「一般選抜学生募集要項」等で、それぞれの選抜方式について詳しく説明しています。例えば、教育学部では一般選抜前期日程において第1志望・第2志望を認めていますが、これらのコース・選修の組み合わせには条件があります。この条件については「一般選抜学生募集要項」に記してあります。自分の受験する選抜方法の学生募集要項もよく読んでおきましょう。
 今後の入学者選抜方法の変更については、「入学者選抜方法の変更について」のページをご覧ください。教育学部に関係する変更としては「令和7年度(令和6年度実施)入学者選抜」における「教科『情報』の取り扱い及び一般選抜の個別学力検査の出題範囲について」の予告を掲載しています。


表2.山口大学教育学部の各コース・選修で卒業と同時に取得できる教員免許状。各コース・選修において2段に分かれている場合は、いずれか一方の組み合わせ。

コース 選修 取得できる普通免許状
小学校教育コース 小学校総合選修 小学校教諭一種免許状
教育学選修
心理学選修
国際理解教育選修
幼児教育コース 幼稚園教諭一種免許状
特別支援教育コース 特別支援学校教諭一種免許状
(知的障碍者、肢体不自由者、病弱者に関する教育の領域)及び
小学校教諭一種免許状
特別支援学校教諭一種免許状
(知的障碍者、肢体不自由者、病弱者に関する教育の領域)及び
中学校教諭一種免許状(基礎免教科)
情報教育コース 小学校教諭一種免許状
高等学校教諭一種免許状(情報)及び
中学校教諭二種免許状(数学)
教科教育コース 国語教育選修 小学校教諭一種免許状 及び
中学校教諭二種免許状(国語)
中学校教諭一種免許状(国語)及び
高等学校教諭一種免許状(国語)
社会科教育選修 小学校教諭一種免許状 及び
中学校教諭二種免許状(社会)
中学校教諭一種免許状(社会)及び
高等学校教諭一種免許状(地理歴史、公民)
(注意:大学卒業に必要な授業に加えて、追加の授業を受けることで、 「高等学校教諭一種免許状(地理歴史)」「高等学校教諭一種免許状(公民)」の両方の教員免許を取得することができます。)
数学教育選修 小学校教諭一種免許状 及び
中学校教諭二種免許状(数学)
中学校教諭一種免許状(数学)及び
高等学校教諭一種免許状(数学)
理科教育選修 小学校教諭一種免許状 及び
中学校教諭二種免許状(理科)
中学校教諭一種免許状(理科)及び
高等学校教諭一種免許状(理科)
音楽教育選修 小学校教諭一種免許状 及び
中学校教諭二種免許状(音楽)
中学校教諭一種免許状(音楽)及び
高等学校教諭一種免許状(音楽)
美術教育選修 小学校教諭一種免許状 及び
中学校教諭二種免許状(美術)
中学校教諭一種免許状(美術)及び
高等学校教諭一種免許状(美術)
保健体育選修 小学校教諭一種免許状 及び
中学校教諭二種免許状(保健体育)
中学校教諭一種免許状(保健体育)及び
高等学校教諭一種免許状(保健体育)
技術教育選修 小学校教諭一種免許状 及び
中学校教諭二種免許状(技術)
中学校教諭一種免許状(技術)及び
高等学校教諭一種免許状(情報)
(注意:大学卒業に必要な授業に加えて、追加の授業を受けることで 「高等学校教諭一種免許状(情報)」の教員免許を取得することができます。)
家政教育選修 小学校教諭一種免許状 及び
中学校教諭二種免許状(家庭)
中学校教諭一種免許状(家庭)及び
高等学校教諭一種免許状(家庭)
英語教育選修 小学校教諭一種免許状 及び
中学校教諭二種免許状(外国語(英語))
中学校教諭一種免許状(外国語(英語))及び
高等学校教諭一種免許状(外国語(英語))

(令和3年2月1日作成;令和5年1月5日修正)

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