特別セミナーを開催しました
生物機能科学特別セミナー
中高温微生物研究センター特別セミナー
日時:平成6年9月26日(木) 16:30~18:00
場所:農学部・共同獣医学部 大講義室(獣医学研究棟4階)
(常盤・小串キャンパスおよび学外の方(出張者を含む)のみオンライン参加も可能))
集団微生物学のすすめ
〜細菌シグナル(化学物質)コミュニケーションとフィジカルコミュニケーション〜
野村 暢彦 先生
筑波大学 生命環境系・教授
微生物サステナビリティ研究センター・センター長
JST ACT-X 環境とバイオテクノロジー・研究総括
単細胞である微生物も、会話し、群れて集団になり微生物社会を形成していることが明らかになってきた。興味深いことに、微生物の集団(構造)も環境に適応して柔軟に変化することもわかってきた。そこには、微生物シグナル(化学物質)を介した様々なコミュニケーションシステムや細胞多様性を生み出そうとする仕組みが関与している(1)。また、我々は細胞の物理的な不均一性が細胞集団性の多様化を促進することを示した(2)。そのような微生物社会(集団)について環境・食・健康に関わる微生物(細菌)それぞれを例に紹介させていただく(3-6)。またそれらを解析するための最新イメージング解析技術やデバイス技術もあわせて紹介させていただく(7,8)
(1) Toyofuku M., Nomura N., Eberl, L. (2019) Nature Reviews Microbiology 17.
(2) Prasad M., et al. (2023) Science 381.
https://www.youtube.com/watch?v=UwPVeiMYi-M
(3) Obana N., et al. (2017) Infection and Immunity 85.
(4) Obana N., et al. (2020) NPJ Biofilms and Microbiomes 6.
(5) Kunoh T., et al. (2020) ACS Nano 14.
(6) Kunoh T., et al. (2023) Environmental. Microbiology 89.
(7) Yawata Y., et al., (2019) Applied and Environmental Microbiology 85.
(8) Okano C, et al. (2022) Scientific Reports 11.
問い合わせ先 阿座上(083-933-5854)
azakami@yamaguchi-u.ac.jp
開催報告
2024年9月26日(木)16時30分より、山口大学農学部・共同獣医学部大講義室において,筑波大学微生物サステイナビリティ研究センターのセンター長の野村暢彦先生の特別セミナーを開催しました。微生物サステイナビリティ研究センターと本センターは2022年8月に包括連携協定を締結しており,その後も共同研究やセミナー・シンポジウムなどの相互交流を続けています。野村先生には,本学大学院創成科学研究科の集中講義(生物機能科学特別講義II)の講師として来学されたのを機に,今回の特別セミナーをお願いいたしました。
セミナーでは,微生物学において直接見る(観る)ことの重要性とそれによって新たな現象や新たな原理が発見されること,微生物を自然界で存在する状態すなわち集団でとらえることの重要性をご講演いただきました。また,地球上では微生物が中心となっており,微生物学の重要性についてもお話しいただきました。
セミナーはハイブリッド形式で開催され,オンラインでの参加者も含め約60名の参加者があり,野村先生の興味深い内容と軽妙なトークで約70分のご講演に聴衆が引き込まれていました。ご講演後も約30分の質疑応答があり,参加者と野村先生の間で熱の入った議論が繰り広げられました。今回のセミナーにより,本センターと微生物サステイナビリティ研究センターとの交流がより一層強まることが感じられました。


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