山口大学医学部 大学院医学系研究科・医学部

自己開発コース

自己開発コースとは

平成8年度(1996年度)より導入している独自の教育ユニットで、時間的・精神的に余裕を持って学生自らが積極的に研究室や社会に飛び込み、実践活動を通じて自助自立の精神を高め、自身の中に潜在する可能性を開発し、この時期でなければできない貴重な体験を目指すことを目的としています。
本コースの最大の特徴は、3年次の後半に「5ヶ月間」という長期の研究専念期間を必修カリキュラムとして確保している点にあります。

基礎医学系、社会医学系、臨床医学系の各教室や、診療科部、医学科寄附講座が提案した学内外でのカリキュラムに参加するプログラムコースと、学生自身が提案したカリキュラムで学外や海外で活動するオリジナルコースがあります。ともに実験、あるいは調査を原則とした研究活動と、ボランティア活動を原則とした社会活動を行います。
研究活動の成果は「修学論文テュートリアル」を通じて「修学論文(卒業論文に相当)」としてまとめられ、リサーチマインドの醸成に大きく寄与しています。また、本コースでの経験を契機として、学部在学中から大学院の授業を先取りする「高度学術医育成コース(SCEA/AMRA)」を選択する学生も継続的に存在し、将来の研究医を養成するためのシームレスな教育体制の起点となっています。

このように、自己開発コースは、地域・国際対応力を養い、「科学的探究力」の向上に向けた本学の強い意志を示す、極めて独創的なプログラムであり、日本の医学教育における先駆的な取り組みとして高く評価されています。

在学生の声

医学科4年(※取材時)

姜 俊英 さん(最右)

平山 智美 さん(最左)

3年次の自己開発コースでは、私も平山さんもスイスのローザンヌ大学で脳に関する研究室に所属しました。
私は脳の意思決定に関するチームに配属され、研究の初期段階から関わりました。
研究をする上では5カ月は短いですが、世界水準の教育レベルを誇る大学で、研究が進むステップを経験できたのは貴重な体験でした。
現在は神経内科の研究に携わり、その手技を含めて学んでいるところです。(姜さん)

海外の先生方と協力して睡眠に関する研究を進める中で、文化や価値観の違い、言語の壁に直面し、自分の考えを伝えることの難しさを痛感しました。
その中で、いかに積極的に自己開発するかに挑戦したことは、大きな精神的成長につながりました。 留学中には世界保健機関(WHO)本部を見学し、世界で活躍する日本人職員のお話を聞き、エールをいただけたことも大きな励みとなりました。(平山さん)

医学科4年(※取材時)

井上 裕加里 さん

自己開発コースの研究で世界初の予測式を考案

私は、3年次の自己開発コースで所属した臨床検査・腫瘍学講座で、便潜血検査にDNA検査と年齢の因子を組み合わせて進行腺腫を検出する予測式「FAMSインデックス」を考案しました。
これにより便潜血検査のみの結果より約2倍の精度で進行腺腫を検出することに世界で初めて成功しました。
この結果を英語で論文にまとめ、海外に発表し、特許の申請も行いました。現在は実用化に向けた実証実験を行っているところです。
新たな検査法として将来的に認可されると、消化器がんの早期治療が可能になると期待されます。

医学科4年(※取材時)

才川 優輔 さん

AI解析で若手研究奨励賞を受賞

東京の大学院でAI技術を学び、卒業後もAIやデータサイエンスに強い山口大学でより深く学びたいと思い、学士編入学しました。
3年次の自己開発コースでは、システムバイオインフォマティクス講座でデータ解析やAIの研究をしました。
浅井教授との共同研究による『造血幹細胞移植後急性GVHDの悪化リスク予測と予測因子の抽出』では、第46回日本生体医工学会中国四国支部大会で若手研究奨励賞に選出していただき、嬉しかったです。
自己開発コース終了後も同じ講座で学んでいます。

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