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石黒助教が日本臨床検査医学会2023年優秀論文賞を受賞

臨床検査・腫瘍学講座の石黒旭代助教が、日本臨床検査医学会において、2023年学会賞優秀論文賞を受賞しました。
優秀論文賞は、毎年日本臨床医学会誌に掲載された論文の中から優れた発表に授与されます。論文の題目は、「卵巣腫瘍および子宮内膜症におけるCA125、HE4、ROMA の有用性(日本臨床検査医学会誌 70巻5号)」です。論文内容は下記のとおりです。

【論文概要】
CA125は最も広く使用されている卵巣腫瘍マーカーですが、偽陽性が多く、診断能は不十分です。ヒト精巣上体蛋白4(HE4) とRisk of Ovarian Malignancy Algorithm(ROMA) が2017年から保険適用となり、新たな卵巣腫瘍マーカーとして注目されていますが、日本人女性においてHE4とROMAを評価した報告は少ない状況です。そこで、日本人女性の卵巣腫瘍およびその他の疾患患者におけるCA125、HE4、ROMAの診断能を評価しました。その結果、CA125は子宮内膜症と悪性腫瘍群で有意に高値であり、HE4とROMAは、悪性腫瘍群で有意に高値でした。良性腫瘍・子宮内膜症と悪性腫瘍の鑑別における特異度は、HE4が最も高い結果でした(94.0%)。閉経前子宮内膜症群の63%の症例において、CA125高値、HE4低値でした。これらの結果から、HE4測定が悪性腫瘍の確認に有用であること、またCA125とHE4の同時測定が子宮内膜症の鑑別診断に役立つことが示唆されました。

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