国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)「創発的研究支援事業」に富永直臣講師の研究課題が採択されました
国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)「創発的研究支援事業」2025 年度新規課題に、大学院医学系研究科(保健学専攻)/細胞デザイン医科学研究所の富永 直臣 (トミナガ ナオオミ)講師が採択されました。今回の募集には、全国から2,217 件の応募があり、257 件の研究課題が採択されました。富永講師はその採択者の1 名となります。
創発的研究支援事業とは…
本事業は、特定の課題や短期目標を設定せず、多様性と融合によって破壊的イノベーションにつながるシーズの創出を目指す「創発的研究」を推進するため、既存の枠組みにとらわれない自由で挑戦的・融合的な多様な研究を、研究者が研究に専念できる環境を確保しつつ原則7年間(途中ステージゲート審査を挟む、最大10 年間)にわたり国が長期的に支援します。
採択課題、概要は下記のとおりです。
採択課題名:EV エンジニアリングが拓く脳バリア機能制御によるシン治療法の創成
研究概要:
アルツハイマー病や、がんの脳への転移といった脳関連疾患は、依然として有効な治療法に乏しく、現代医学における最重要課題の一つです。その最大の理由は、脳を守る強固な関所「血液脳関門」の存在にあります。この関門が薬の侵入を阻むため、大きな期待が寄せられる抗体医薬でさえ、投与量のわずか0.1%しか脳に届かないとされおり、この課題を突破すべく様々な技術が開発されてきたが、応用範囲や安全性の面で課題が残り、決定打は得られていません。
そこで近年、大きな注目を集めているのが「細胞外小胞(エクソソーム)」と呼ばれる、細胞が放出するナノサイズの微小カプセルです。細胞外小胞はあらゆる細胞から分泌され、体内を巡りながら細胞間で情報をやり取りする、いわば「天然の運び屋」として機能し、体への親和性が高く、次世代の薬剤運搬体として世界中で研究が進められています。
本研究では、この自然界が備える巧妙なメカニズムを応用し、関門を安全かつ一時的に制御する革新的な技術の確立を目指す研究で、これは「特定の薬を運ぶ」従来の発想を根底から覆し、「あらゆる薬のために脳の扉を開ける」汎用基盤技術の創出であり、脳創薬に大きな変革をもたらすパラダイムシフトへの挑戦である、と言えます。

【富永講師からのコメント】

採択に心より感謝申し上げます。細胞外小胞(エクソソーム)は、医療の常識を塗り替える力を秘めた次世代テクノロジーです。EV エンジニアリングによって困難を乗り越え、新しい治療の形を創り出します。ーー研究室ではこの挑戦に共に挑んでくれる仲間を、広く歓迎します。