山口大学医学部 医学部

検査技術科学専攻

 医療技術の進歩とともに、臨床検査技師の仕事も専門化が進んでいます。山口大学医学部保健学科検査技術科学専攻では、卒業後、どの医療分野に進んでも対応できるよう基礎力とそれを応用する能力を育てること、更に、医療チームの中でスペシャリストとしての志と世界に通用する研究マインド(科学的な思考力)をもつ人材を世に送り出すことを目標としています。卒業後は大学院進学、病院検査部や企業の研究所への就職など、いろいろな分野への進路がありますが、いずれも4年間の教育で得た知識や技術を基に、医療に関連した分野で活躍していくことができます。

 検査技術科学専攻のカリキュラムの特徴として、卒業時に、学生全員が臨床検査技師の国家試験受験資格を得られることが挙げられます。また、学内の臨床実習に力を入れ、8週間の医学部附属病院検査部での実習、病棟で実際に患者さんを担当し臨床現場での検査のニーズや実施方法を学ぶ1週間の病棟実習を行っています。なお、卒業研究では、実験・まとめ・発表・論文作成まで半年近い期間をかけ、科学研究の方法論と発表技術の基本を教えています。選択コースとしては、細胞検査士及び健康食品管理士の受験資格を、卒業までに取得できるコースを設けています。特に細胞検査士コースでは、1年次より一貫した教育を行っており、全国平均を大きく上回る合格率を達成しています。また、バイオ技術者認定試験(中級・上級),医療情報技師検定試験、毒物劇物取扱責任者試験等は、学部生でも受験することができるため、卒業前にそれらの資格を取得する学生も少なくありません。

 さらに大学院博士前期課程では、全国に先駆けて、平成27年度より「再生医療・細胞療法を担う高度な医療専門職の育成コース:臨床培養士養成課程」を開設しました。この臨床培養士養成課程は、臨床検査技師の国家資格を取得した大学院生を対象に、教育機関である大学院医学系研究科・生体情報検査学領域と再生医療・細胞療法を実践する山口大学病院、最先端の研究機関である財団法人先端医療振興財団が連結して、日本再生医療学会の認定制度に沿った教育プログラムを実践し、次世代の医療技術として期待される再生医療・細胞療法を担う高度な医療専門職業人の育成を行います。

 保健学科では国際交流活動が活発で、タイ(マヒドン大学・チェンマイ大学)、香港大学、オーストラリア(ディーキン大学)と山口大学の5大学で、保健学領域の国際的リーダーとなる学生を育成するため、Asian Pacific Alliances of Health Leadership(APAHL)という活動を行っています。山口大学が主幹を務めて約20年継続し、各大学持ち回りで約1週間の交流会を毎年開催しています。検査技術科学専攻からは毎年5名の学生が、外国人教員と事前準備を行って参加し、海外学生と文字通り深く交流しています。その他、2024年、2025年度にはチェンマイ大学の検査専攻との交換留学で当専攻の学部生・大学院生が共に研究を行いました。最近ではスペイン、インドネシア、アメリカなど多くの国から教員・学生が来学し、交流と共同研究へのディスカッションを深めています。山口大学では国際化教育の一環として、全学生にTOEICでの一定の点数の取得を義務付けていますが、保健学科の学生は山口大学内で比較的高い成績を修めています。山口大学でしか体験できない多くの機会を通して、大きな視野を持った考え方ができるチャンスとなるように、積極的な参加を勧めています。

 経済的支援としては、日本学生支援機構の奨学金、山口大学の授業料免除制度などの他に、保健学科独自の育英奨学金制度を設けており、家庭の収入額が一定の基準に満たない学生に貸与しています。

 1年次は、山口市のキャンパスで他学部の学生と共に共通教育を学び、2年次から宇部市の医学部で専門教育を勉強します。都会に比べて、物価が安く暮らしやすいという利点があります。地方にあって、学業・研究に専念できる環境が整う本学検査技術科学専攻で学びたいという学生さんを、教員一同、心より歓迎します。

検査技術科学専攻の教員

卒業研究発表会
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