高度医療人材養成拠点形成事業
高度な臨床・研究能力を有する医師養成促進支援
事業の目的
本事業の目的は、新しい研究支援人材であるリサーチクラークを特徴とした研究支援体制を創出することです。
大学として戦略的な位置づけを行い、推進する分野へ研究支援内容に応じた人材を配置し、ノンコア業務(従来研究者にとって負担となっていた業務(法令手続き、データ整理、研究の進捗管理等)を研究支援人材へタスクシフトすることで研究者の研究コア時間を確保していきます。また、即戦力となる人材の確保が困難である研究支援人材の育成スキームを確立し、持続的な研究支援体制の構築を目指します。
さらに教員を源流とし、大学院生及び医学生の各階層別に指導を行う屋根瓦方式体制を導入し、高度な臨床教育・研究に関する知識や技能を効率的に伝授する人材育成モデルを構築することにより研究力の向上を目指し、未来の医師達自らが高い志をもって活躍できる環境を創出します。
本事業提案は令和6年8月26日、
令和6年度文部科学省
高度医療人材育成事業(高度な臨床・研究能力を有する医師育成支援)
タイプB に採択されています。
事業概要(事業推進責任者 医学部長 木村 和博)

事業内容

人材養成について
本学では、独自の「統合型カリキュラム」を基盤に、研究マインドと高度な臨床技能を兼ね備えた医師の育成を推進しています。
1.診療参加型臨床実習の質的・量的拡充
本学の強みである臨床教育では、TAの拡充により、採血や皮膚縫合といった医行為の直接指導体制を強化しました。また、独自システム「eYUME」を用いた手技のオンライン自己評価管理により、医行為実施状況の厳密な可視化と改善を実現しています。さらに、学外実習先を拡大し、地域特性に応じた豊富な症例経験を積める環境を整備。実習先の指導医への「臨床教授」等の名称付与により、地域全体で質の高い教育を行う体制を構築しています。
2. 屋根瓦方式による研究マインドの醸成
本学の研究室内の教育体制は、教員・大学院生(RA・JR)・学部生(SA)が連携する「屋根瓦方式」の指導体制へと進化しました。優れた研究能力を持つ院生が学部生を指導し、本学独自のカリキュラムである 「自己開発コース」配属学生及び終了後も継続的な研究を行う学部生もSAとして自発的な研究や後輩指導に携わることで、次世代の若手研究医としての自覚を促します。自身の研究にとどまらず、後輩学生や海外実習生への指導といった高度な実践を通じ、臨床現場から医学の発展に寄与できる、探求心豊かな医療人材を社会へ送り出します。
また、これらのカリキュラムを支える仕組みである医学教育総合電子システム「eYUME」では、講義・実習の日程確認のみならず、手技のオンライン自己評価管理により、医行為実施状況の厳密な可視化と改善を実現しています。 https://eyume.med.yamaguchi-u.ac.jp/2026/
自己開発コース
○本学の特色である「自己開発コース」
本事業では、教員、大学院生(RA)、学部生(SA)の各階層別に指導を行う屋根瓦方式体制により、高度な臨床教育・研究に関する知識と技術を伝承する人材育成モデルを構築し、研究力の向上を目指しています。
この「屋根瓦方式体制」の【第三の瓦:学部生(SA)】において、本学の特色である「自己開発コース」において各講座に配属された3年生をSAとして採用し、研究補助を行いながら自ら企画・立案した研究プログラムを実践し基礎的な研究マインドを醸成しています。また、自己開発コース終了後も、継続的な研究を行う学生をSAとして再度雇用することで、研究意欲を継続支援しています。
「自己開発コース」 の最大の特徴は、3年次の後半に「5ヶ月間」という長期の研究専念期間が必修カリキュラムとして確保されている点にあります。
このコースは、学生が自ら研究室や社会に飛び込み、能動的な実践活動を通じて「自助自立の精神」や「科学的探究力」を養うことを目的としています。(R7受入目標:117人、R7履修数:117人)
学生は、
・学内の教室が提案する「プログラムコース」(受入人数:1講座あたり1~6人)
・自ら活動先を企画して学外や海外の大学・施設へ赴く「オリジナルコース」(受け入れ人数:希望者)
を選択できます。
活動は、実験や調査を主とする「研究活動」と、ボランティア等の「社会活動」を柱としています。研究活動の成果は「修学論文」としてまとめられ、これまでに世界初の知見による特許申請や、英語論文の発表、学会賞の受賞といった優れた成果を数多く輩出してきました。
この5ヶ月間の濃密な経験は、単なる知識習得に留まらず、国際対応力とリサーチマインドを兼ね備えた医師を育てる、山口大学ならではの独創的な教育プログラムとして高く評価されています。
※自己開発コースの詳細(コース内容、履修者の意見等)はこちら
年度別事業計画

各年度の主な実績
令和6年度の主な事業実績
研究支援体制の整備とタスクシフトの推進
•教育担当職員の配置と育成コンテンツの作成により、リサーチクラークの組織的な育成体制を確立した。
•チューター制度を導入することで、リサーチクラーク間での教育の質の均質化を図った。
•実験アシスタントや事務職員を採用し、ノンコア業務を研究支援人材へ集約することで、研究者の「コア時間」を確保した。
診療参加型臨床実習の指導環境の強化
•TAの枠を拡充し、医学生へのきめ細やかな実技指導体制を強化した。 •教育支援者を新たに雇用することで、臨床現場における指導医の負担を軽減し、質の高い実習環境を整備した。
「自己開発コース」を活用した研究人材の育成
•本学独自のカリキュラムを通じて、学部生をSAとして研究室に配属した。
•学生が単なる補助に留まらず、自ら研究プログラムを企画・立案し、実践することで、早期からの基礎的な研究マインド醸成を図った。
令和7年度の主な事業実績
持続的な研究支援体制の構築とタスクシフトの成果
•リサーチクラークの派遣により、倫理申請等のノンコア業務190件を研究者からタスクシフトした。
•研究者へのアンケートでは75%が「業務負担が軽減した」と回答し、支援の有効性が確認された。
•週1回のミーティングや教育コンテンツの改修を通じ、支援人材の持続的な育成スキームを確立した。
診療参加型臨床実習の質的向上と管理システムの導入
•医学生による実習自己評価報告を過去3年間と比較・分析し、実習内容のさらなる充実を図った。
•教育支援者の継続雇用に加え、新たに「TA・RA等勤怠管理システム」を構築・運用し、事務負担の軽減と適正管理を実現した。
「屋根瓦方式」による高度な人材育成モデルの推進
•教員・JR・RA・SAが連携し、重層的に指導し合う「屋根瓦方式」で研究力を強化した。
•JRが教員と協働してRAを指導し高度な研究を主導する一方で、学部生であるSAも後進の指導にあたった。
•SAが単なる研究補助に留まらず、教研究の体現者として主体的な役割を担う文化を醸成した。
問い合わせ先
山口大学経営企画課 予算管理係
電話番号 0836-22-2024
メールアドレス me212@yamaguchi-u.ac.jp